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自分らしさってアメージング!#07 小さな一歩で大きな一歩
教科書の落書きをほめられ、
頭に焼き付けられた銀座のギャラリーの絵、
次第に僕の心はなんとなく絵の世界が気になりはじめ、
毎日の中でその世界を覗き込む事が増えてきていました。
その証拠に教科書の表紙に描いていた落書きをやめ、
手帳のメモ部分に描くようになっていた。
時間を見つけては本屋へ通い、
画集を手にとることが増え、
美術館に行ってはその雰囲気や絵をからだ全身で感じて
楽しんでいました。
そんなある大学2年の梅雨の頃、
僕は立ち読みしていた雑誌でイラスト教室の広告と出会い、見学へ。
そこは小さなアトリエで、
生徒はほぼ女性、
黙々とイラストを描いている空間でした。
普段、学校の講義では、渋谷の交差点のように私語と私語が飛び交っていて、
ノイズに慣れていた僕にとって、この光景は衝撃的でした。
説明を受けてそのまま申し込み完了。
いつもの僕だったら男がいないと言うだけで、
しかもわざわざ知らない世界にお金を払って入る事など絶対にありえないはずなのに。
確か入学金30万くらいだったかな。
面倒くさがり屋で怠け者の僕はバイトもろくにやってなく、
稼ぎはなかったけど、貯金でなんとかなると思い、
そんなことよりも、
不満に取り憑かれながら受ける大学の講義よりも、この空間がよっぽど魅力的で新鮮でした。
僕は翌日から、大学に行かずにその教室に通うようになります。